原付やスクーターは高速道路を走れる? 日本のルールを解説

2026年6月4日 · Roel van Roozendaal

市街地でハンドルにスマートフォンを取り付け、ナビアプリでルートを確認しながら走るスクーターのライダー。

結論から書きます。日本では、原付もスクーターも高速道路は走れません。総排気量50cc以下の原付一種も、50cc超125cc以下の原付二種も、高速道路と自動車専用道路の通行は道路交通法で禁止されています。125ccのスクーターを「そこそこ速いから大丈夫だろう」と考えても、答えは変わりません。

私自身、こうした小さなバイクで街を走るライダーで、この記事の最後で紹介するUrban Riderというナビアプリを作っています。ですから書き手としては中立ではありません。ただ、ここで扱うのは個人の感想ではなく、警察庁や高速道路会社が示している事実です。乗れる車両の区分、走ってよい道とだめな道、違反したときの罰則、そして合法なルートをどう組むかを、日本の道路に即して整理します。

原付・スクーター・バイクの区分を整理する

高速道路に乗れるかどうかは、見た目やスピード感ではなく、総排気量(と最高出力)で決まる車両区分で判断されます。日本の二輪の区分は次のようになっています。

原付一種と原付二種、新基準原付と従来の125ccの違いは紛らわしいので、別の記事で50ccと125ccスクーターの違い日本で原付に乗るための免許を詳しく扱っています。区分が曖昧なまま走ると、知らないうちに通行禁止の道に入ってしまうことがあります。

高速道路に乗れるのは何ccから?

高速道路を合法的に走れる二輪車は、総排気量125ccを超えるもの、つまり126cc以上です。境界はここにあります。Honda の公式サイトや NEXCO 各社の案内でも、125cc以下の二輪車は高速道路を通行できないと明記されています。

これを踏まえると、結論はシンプルです。

走ってはいけない「速い道」はどれか

原付やスクーターで避けるべきなのは、高速道路だけではありません。日本には、原付の通行が禁止される道がいくつかあります。

高速自動車国道と自動車専用道路

東名高速や首都高速のような高速道路はもちろん、バイパスや都市高速などの自動車専用道路も原付一種・二種ともに通行禁止です。入口には青地に白の「自動車専用」標識が立っています。歩行者、軽車両、そして125cc以下の二輪車はこの標識の道に入れません。料金所のない自動車専用道路もあるため、標識の見落としが誤進入につながりやすいのが実情です。

二輪車通行止め・通行禁止区間

峠道やトンネル、特定の市街路には、二輪車そのものの通行を規制する区間があります。標識や路面標示で示されるので、ルートを引く前に確認しておくと安心です。一般道でも、原付一種は最も左側の車線を走り、片側3車線以上の交差点などでは二段階右折が義務づけられます。右折のために右側車線へ寄っていくのは、原則として違反になります。

違反したときの罰則

原付で高速道路に入ってしまうと、通行禁止違反として扱われます。原付一種の場合、違反点数2点、反則金5,000円です。二輪車の反則金は6,000円とされています。

ただ、本当に怖いのは反則金ではありません。高速道路は時速100km前後で流れています。法定速度30km/hの原付がそこに混じれば、後続車との速度差は70km/h以上になります。防護のない車体で、その速度差の中に立つことの危険は、点数や金額では測れません。誤進入が事故につながった例は実際にあります。だからこそ、最初から入らないことが何よりの対策になります。

誤進入が起きる本当の原因はナビだった

ここで、私がアプリを作っている理由に直結する話をします。原付の高速道路誤進入は、不注意やうっかりだけが原因ではありません。ナビアプリの設定が大きな要因になっています。

首都高速道路株式会社によると、自転車や原付による首都高への立入者のうち、2024年度は約6割がナビアプリを利用していました。多くは自動車モードのまま案内に従い、最速ルートとして表示された高速道路の入口へ進んでしまったケースです。日本経済新聞も、原付や自転車が「知らぬ間に高速道」へ入る背景に、ナビの設定ミスがあると報じています。高速道路会社6社は対策として、地図アプリ会社に高速入口前の注意喚起機能の改良を依頼したほどです。

原因を分解すると、こうなります。自動車モードのナビは、車のために最速ルートを計算します。そのルートには当然、高速道路が含まれます。原付でその案内に従えば、通行禁止の入口へ向かってしまう。アプリは壊れているわけではなく、そもそも原付という車両区分を理解していないのです。

合法なルートを組むには

誤進入を避けるためにできることは、難しくありません。

  1. 車両区分を正しく把握する。 自分のスクーターが原付一種なのか二種なのか、新基準原付なのかを確認します。126cc以上でなければ、高速道路と自動車専用道路には乗れません。
  2. ナビを車のままにしない。 125cc以下なら、自動車モードでも「高速道路を使わない」設定に変えるか、二輪に対応したアプリを使います。設定をひとつ変えるだけで、誤進入の多くは防げます。
  3. 標識を最後の砦にする。 「自動車専用」や二輪車通行止めの標識を見たら、その道には入らない。ナビが何と言おうと、現地の標識が優先です。
  4. 到着時刻を疑う。 車基準の到着時刻は、30km/hの原付には当てはまりません。二輪向けのナビアプリなら、実際の走行速度をもとに現実的な時刻を出します。

Urban Rider が、こうした道をはじめから避ける理由

これは私が作っているアプリなので、その前提で読んでください。Urban Rider は、車のためのナビが原付やスクーターを通行禁止の道へ案内してしまう、という問題から生まれました。

使い方はシンプルです。スクーターまたは原付のプロファイルを選ぶと、高速道路と自動車専用道路、そして多くのトンネルをはじめから除外します。日本ではこれらの道に125cc以下が入れないからです。バイクのプロファイルを選べば速い道も使えるようになり、そこから自分で細かく調整できます。到着時刻も、同じ道を走る平均的な車ではなく、二輪の実際の速度をもとに計算します。

正直なところも書いておきます。Urban Rider は大手のナビよりずっと小さく、新しいアプリです。現在は iOS で利用でき、Android はオープンベータの段階です。万能ではありませんが、「原付という車両を出発点にする」という一点では、車向けのアプリとは設計思想が違います。なぜ二輪にもっと良いナビが必要なのかという考え方や、東京の街での走り方については、東京でスクーターに乗る記事でも触れています。

排気量別に見た高速道路の可否

区分 総排気量の目安 高速道路・自動車専用道路 一般道の最高速度 二段階右折
原付一種 50cc以下 通行不可 30km/h 必要
新基準原付 125cc以下・4.0kW以下 通行不可 30km/h 必要
原付二種 50cc超125cc以下 通行不可 60km/h 不要
普通二輪・大型二輪 126cc以上 通行可 60km/h 不要

まとめ

原付やスクーターは高速道路を走れるか。日本での答えは「走れない」です。50ccの原付一種、新基準原付、そして125ccの原付二種は、いずれも高速道路と自動車専用道路を通行できません。境界は126cc以上で、ここから先が普通二輪・大型二輪の世界です。

そして、誤進入の最大の原因がナビの設定だという事実は、私たちライダーにできることをはっきり示しています。車のためのアプリに自分の経路をまかせきりにせず、車両区分に合った道を案内してくれる道具を選ぶこと。電動で走る人は航続距離と充電も合わせて計画に入れておくと、より安心して街を走れます。

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よくある質問

原付は高速道路を走れますか?

走れません。総排気量50cc以下の原付一種も、50cc超125cc以下の原付二種も、高速道路と自動車専用道路は通行が禁止されています。高速道路を走れるのは総排気量125ccを超える二輪車だけです。間違って入ると通行禁止違反になります。

125ccのスクーターなら高速道路に乗れますか?

乗れません。125ccは原付二種に分類され、原付二種も高速道路と自動車専用道路は通行禁止です。高速道路を合法的に走れるのは総排気量125ccを超える、つまり126cc以上の二輪車に限られます。126cc以上であれば普通二輪免許や大型二輪免許で運転でき、二人乗りには別途の条件があります。

原付で間違えて高速道路に入ってしまったらどうすればいいですか?

Uターンや逆走は絶対にしないでください。料金所やインターチェンジが近ければ安全に注意しながらそこまで進み、係員に事情を伝えます。近くにない場合はガードレールの外側など安全な場所に退避し、非常電話か携帯電話から警察や道路管制センターに連絡して指示を待ちます。後続車との衝突を避けるため、車道に立ち止まらないことが重要です。

原付で高速道路を走ると罰則はどうなりますか?

通行禁止違反として扱われ、原付一種の場合は違反点数2点、反則金5,000円が科されます。二輪車の反則金は6,000円です。事故につながれば被害ははるかに大きくなります。物理的な速度差と防護のない車体を考えれば、罰則よりも安全上のリスクのほうが深刻です。

ナビアプリが原付を高速道路へ案内してしまうのはなぜですか?

多くのナビは自動車モードで最速ルートを計算し、その経路に高速道路が含まれるためです。首都高速道路株式会社によると、原付や自転車の誤進入のうち2024年度は約6割がナビアプリ利用で、自動車モードのまま案内に従った例が目立ちます。Urban Rider はスクーター・原付プロファイルで高速道路と自動車専用道路をはじめから除外するため、こうした誤進入を避けやすくなります。