結論から言う。原付(50cc)で Google マップを使うのは、まったく問題ない。地図は正確だし、リアルタイムの渋滞情報も役に立つ。やるべきことはひとつ、「高速道路を使わない」と「有料道路を使わない」をオンにすることだ。ここでは iOS と Android のどちらでも、その設定をどこで入れるのかを正確に説明する。
ただし、もうひとつ知っておいてほしいことがある。この設定は、多くのライダーが期待するほどには守ってくれない。「高速道路を使わない」は「45 km/h の原付には速すぎる道を避ける」という意味ではないからだ。先に役立つ手順を片づけ、そのあとでこの落とし穴をきちんと説明する。
まず役立つ手順: Google マップで高速・有料道路を避ける
Google マップには車向けの回避設定があり、原付でもそのまま使える。場所さえ分かれば、設定は1分で終わる。
iPhone(iOS)の場合
- Google マップを開き、目的地を入力する。
- ルート候補が出たら、上部の移動手段から 車のアイコン を選ぶ。
- 画面右上の 三点メニュー(…) をタップし、「ルートオプション」 を開く。
- 「高速道路を使わない」 と 「有料道路を使わない」 をオンにする。
- 「完了」 を押すと、ルートが再計算される。
Android の場合
- Google マップを開き、目的地を入力する。
- ルート候補で 車のアイコン を選ぶ。
- 右上の 三点メニュー(︙) をタップし、「ルートオプション」 を開く。
- 「高速道路を使わない」 と 「有料道路を使わない」 にチェックを入れる。
- 画面を戻ると、設定を反映したルートが表示される。
この設定は一度入れれば、次回以降のルート計算にもおおむね引き継がれる。安心材料として、出発前にルート全体を一度ながめ、明らかに大きな道路を通っていないか確認しておくとよい。
Waze を使う場合
Waze も Google 傘下で、回避設定の考え方は同じだ。iOS でも Android でも手順は変わらない。
- 左下(または右下)のメニューから 設定 を開く。
- 「ナビ」 を選ぶ。
- 「有料道路を避ける」 と 「高速道路を避ける」 をオンにする。
ここまでが、誰もが探している実用的な部分だ。問題は、この設定が約束してくれる範囲が、思っているより狭いことにある。
重大な落とし穴:「高速道路を使わない」の本当の意味
多くのライダーはこう思っている。「高速道路を使わない」をオンにすれば、原付に向かない速くて危険な道を避けてくれる、と。残念ながら、そうではない。
この設定が外すのは、あくまで 高速道路という道路区分 だけだ。「速くて多車線の危険な道を避ける」という意味ではない。そしてここが肝心なのだが、技術的に高速道路でない速い道は、世の中にいくらでもある。
具体例を挙げよう。Google マップの車向けルート案内は、45 km/h に制限された原付一種であっても、80 km/h の自動車専用道路や片側数車線の幹線道路へ平気で案内する。理由は単純で、それらが「技術的には高速道路ではない」からだ。回避設定の対象外なので、フィルターをすり抜けてしまう。結果として、流れの速い大きな道のど真ん中に、時速 45 キロのあなたが放り込まれることになる。
さらにもうひとつ。車向けアプリは、時間を車の速度で計算する。Google マップはその道を走る車の平均速度をもとに到着時刻を出すので、45 km/h で頭打ちになる原付では、実際よりも短く見積もられる。流れの速い道路ほどズレは大きくなる。「あと10分」と言われて出たのに、原付では15分以上かかる、という経験に覚えがあるはずだ。
つまり、回避設定そのものは役に立つが、Google マップも Waze も あなたが何に乗っているかを理解していない。日本の細かい区分については原付と高速道路・自動車専用道路のルールもあわせて読んでほしいが、要点は「アプリ任せにせず、案内された道が原付で走ってよい道かを自分で確かめる必要がある」ということだ。
なぜこうなるのか
Google マップも Apple マップも Waze も、もともと 車のために作られた。あとから自転車や、一部の国では二輪のモードが足されたが、土台はあくまで四輪の世界観のままだ。そこには、45 km/h の原付と 60 km/h の原付二種、そして 25 km/h の電動キックボードの違いを区別するという発想がそもそも組み込まれていない。アプリにとって、あなたは「ちょっと遅い車」でしかないのだ。
だから設定をいくつオンにしても、原付という車両区分が走れない道や、速度が合わない道を、本当の意味で外すことはできない。スマホをナビとして使うこと自体の考え方は二輪でのスマホナビにまとめている。
二輪を起点に考えるなら: Urban Rider
ここからは私が作っているアプリの話なので、その分は割り引いて読んでほしい。Urban Rider が存在する理由は、まさにここまで書いてきた問題そのものだ。車を遅くしたものではなく、最初から二輪を起点にしたかった。
このアプリは、ルートを引く前に あなたの車両と速度クラスを尋ねる。スクーター、原付、バイク、そして自転車(電動アシストや e バイクを含む)の4つのプロファイルがあり、速度クラスも 25 km/h、45 km/h、50cc、125cc から選べる。だから、静かな生活道路と速い幹線道路の違いを理解したうえで、そのクラスが通行できない道を外し、流れの速い大きな道へ無理に押し込まない。到着時刻も、車の平均ではなく 二輪の現実的な速度 で計算する。
走行中はナビ画面がすっきり保たれ、次の指示・距離・自分の速度だけを大きく表示し、次の曲がり角は Apple Watch にも出る。電動で走るライダーには充電スポットも示す。無料で、アカウントは不要、走行履歴は端末内に保存し、iOS と Android の両方でネイティブアプリとして使える。Android 版はGoogle Play で配信中だ。
正直に書くと、大手に比べればまだ新しく規模も小さい。地図そのものの完成度では Google にかなわない部分もある。だが「原付が走れる道に保ち、二輪の速度で時間を出す」という一点については、車向けアプリの後付けモードよりずっと素直に応えてくれるはずだ。
横並び比較
| 項目 | Google マップ / Waze | Urban Rider |
|---|---|---|
| 高速道路を避ける設定 | あり(手動でオン) | あり(原付・スクーターはデフォルトで除外) |
| 80 km/h の自動車専用道路を避ける | いいえ(技術的に高速道路ではないため案内に残る) | はい(車両区分で判断) |
| 車両と速度クラスを尋ねる | いいえ | はい(25/45 km/h、50cc、125cc) |
| 所要時間の計算 | 車の平均速度 | 二輪の現実的な速度 |
| 料金 | 無料 | 無料 |
| 対応端末 | iOS、Android | iOS、Android、Apple Watch |
結局どう使えばいいのか
- Google マップを使い続けるなら。 「高速道路を使わない」「有料道路を使わない」を必ずオンにし、そのうえで出発前にルート全体を確認する。大きな幹線道路を通っていたら、手で別ルートに直す。
- 所要時間を当てにしたいなら。 Google マップの「あと何分」は車基準だと割り切り、原付では少し多めに見ておく。
- 毎日 50cc で走るなら。 車両を起点にするアプリを一度試す価値はある。Google マップと Urban Rider を併用し、ルートを見比べてみるのがいちばん分かりやすい。
ほかのアプリも含めて見比べたい人はスクーター・原付向けナビアプリの比較を、無料のルート作成だけ知りたい人は無料のスクーター・原付ルートプランナーを、Google マップと Apple マップそのものの違いはGoogle マップと Apple マップの比較を参考にしてほしい。
よくある質問
Google マップで原付向けに高速道路を避ける設定はどこにありますか?
目的地を入れてルート候補が出たあと、車のアイコンを選び、画面上部の三点メニュー(iOS では「ルートオプション」)を開きます。そこで「高速道路を使わない」と「有料道路を使わない」をオンにすると、ルートが再計算されます。iOS と Android で場所はほぼ同じです。ただしこれは高速道路という道路区分を外すだけで、80 km/h の自動車専用道路や速い幹線道路は技術的に高速道路ではないため、設定をオンにしても案内に残ることがあります。
「高速道路を使わない」をオンにすれば原付で安全なルートになりますか?
なりません。「高速道路を使わない」が外すのは高速道路だけで、「速くて危険な多車線道路を避ける」という意味ではありません。45 km/h に制限された原付一種でも、Google マップは技術的に高速道路ではないという理由で、80 km/h の自動車専用道路や片側数車線の幹線道路へ平気で案内します。設定は便利ですが、車両区分そのものを理解しているわけではない、という点を忘れないでください。
Google マップの到着時刻は原付でも合っていますか?
ずれます。Google マップはその道を走る車の平均速度をもとに所要時間を計算するため、45 km/h で頭打ちになる 50cc の原付では実際より短く見積もられがちです。流れの速い道路ほど差は大きくなります。二輪の現実的な速度で時間を出してほしいなら、車両と速度クラスを尋ねるアプリのほうが正確です。
Waze でも原付で高速道路を避けられますか?
避けられます。Waze では設定から「ナビ」を開き、「有料道路を避ける」「高速道路を避ける」をオンにします。iOS と Android で手順は同じです。ただし Google マップと同じ限界があり、外れるのは高速道路だけで、自動車専用道路や速い幹線道路は残ることがあります。Waze も車向けに作られていて、原付の車両区分を前提にしていません。
50cc の原付に本当に向いているナビアプリはどれですか?
車両と速度クラスを最初に尋ねるアプリです。Urban Rider はスクーター・原付・バイク・自転車のプロファイルと、25 km/h、45 km/h、50cc、125cc といった速度クラスを選べるので、静かな生活道路と速い幹線道路の違いを理解し、そのクラスが通行できない道を外し、二輪の現実的な所要時間で案内します。無料で、iOS と Android のネイティブアプリとして使えます。
