ランブレッタは、ベスパの永遠のライバルとして知られるイタリアのクラシックスクーターで、ある種のライダーにとっては二台のうちより個性的な一台だ。ビンテージのギア付き車両を大切に乗り続けている人も、現行の復刻モデルに乗っている人も、1947年から変わらないことがひとつある。ランブレッタには地図を置く場所がない。クラシックには画面そのものがなく、最新モデルでも結局はスマホに手を伸ばすことになる。やっかいなのは、ほとんどの人がすでに持っている地図アプリ、つまり Google マップ、Waze、Apple マップが、ランブレッタをきちんと理解していない点だ。これらはランブレッタをクルマや汎用のバイクのように扱い、本来走るべきでない速い道へ案内し、乗ってもいない車両の到着時刻を告げてくる。
この記事のテーマは、ランブレッタのナビを正しくやることだ。なぜランブレッタは地図アプリにとって扱いにくい存在なのか、良いナビが実際に何をすべきか、カメラを少しずつ壊さずにスマホを取り付ける方法、そして私が作っているアプリがどう役立つのか。私自身、小さなスクーターに乗っていて、Urban Rider を作っている。だから偏ってはいるが、その分だけ正直に、地に足のついた話をしたい。
名称についてひとこと。Urban Rider は独立したアプリであり、ランブレッタ、ランブレッタ・コンソーシアム、イノチェンティ、その他いかなるスクーターメーカーとも提携しておらず、承認や後援も受けていない。「ランブレッタ」はその権利者の登録商標であり、ここでは人々が実際に乗り、検索する対象であるスクーターを指すためだけに用いている。
ランブレッタというブランドをざっと整理する
ナビが混乱しやすい理由のひとつは、「ランブレッタ」がまったく異なる二つの時代の車両をひとまとめにしている点にある。オリジナルのスクーターは、ミラノのイノチェンティが、ブランド名の由来となったランブラーテ地区で、1947年からスクーター生産が終わる1971年まで造っていた。今日のライダーが珍重するクラシックがこれだ。Li 125・150・175、スポーティな TV(トゥーリズモ・ヴェローチェ)、SX(スペシャル X)、そしてベルトーネがボディを再設計した最終型の GP(グランプリ、一部市場では DL として販売)。いずれも手動変速のギア付き2ストロークで、多くは 125〜200cc、高速巡航ではなく街の道や一般道向けに造られている。
その後ブランド名は復活し、現行のラインナップはまったく別物の、現代的な4ストロークのオートマチックだ。V-Special のシリーズは、出力を絞った 50cc(れっきとした原付)、125、200 をそろえ、完全電動の Elettra もある。その上位には X300 や G350 といった、本格的な自動二輪クラスのスクーターが控える。つまり今のランブレッタは、遅い 50cc の原付かもしれないし、街で軽快に走る 125 か 200 かもしれないし、高速道路の速度でも平然と流す大排気量のオートマかもしれない。それぞれに最適なルートはまったく違う。ここに汎用の地図アプリがつまずく原因がある。
なぜ地図アプリにとってランブレッタは「ただのバイク」ではないのか
汎用の地図アプリには、世界の大半でスクーターや原付の車両モードがない。プロファイルはひとつ、たいていはクルマ、ときどきバイクで、あらゆる二輪を同じように案内する。大きなツアラーならそれでいいが、ほとんどのランブレッタには合わない。クラシックの Li 150 や現行の V125 は、ふつうの街の道がいちばん似合う軽い小排気量車であり、出力を絞った 50cc は法律上そもそも高速道路を走れない原付だ。アプリは 45 km/h の原付と 300cc のオートマを区別できないので、両者を同じに扱い、どちらもクルマにとって最速の道へ送り込む。
その結果、間違った車両向けに引かれたルートができあがる。小排気量のランブレッタでは、それは 80 km/h 制限の速い幹線道路へ押し出されることを意味する。クルマのルーティングエンジンにとって、それは単に効率のよい道だからだ。あなたの車両はずっと遅いので、あなたを想定していない道の上で、いちばん遅い存在になってしまう。だからといってアプリが壊れているわけではない。クルマのためには正しく仕事をしている。ただ、あなたがランブレッタに乗っているとは教えられていないし、それを尋ねる手段も持っていないだけだ。
ランブレッタでクルマ用地図アプリが取りこぼすこと
クラシックの Li で Google マップに目的地を入れると、返ってくる青い線はクルマのルートだ。「高速道路を使わない」の設定は多少は効くが、除外されるのは高速道路に区分された道だけで、軽いギア付きスクーターには同じくらい不向きな速度の高い幹線道路や自動車専用道路は残る。だから回避設定をオンにしても、アプリはビンテージのランブレッタに走るべきでない道を渡してくることがある。
二つめの問題は所要時間だ。クルマ用アプリは 60〜70 km/h の一定巡航を前提に、クルマの速度で到着時刻を見積もる。クラシックのランブレッタがそんな走り方をすることはまれで、小さな一台にはそもそも無理だ。だからアプリが最速と呼ぶルートは、あなたにとって最速でないことが多く、到着時刻は最初の曲がり角からずれている。乗ってもいない車両向けに計算された数字を頼りに、予定を組むはめになる。現行の X300 や G350 なら流れに乗れるので差は小さいが、それより下のすべてでは、クルマの到着時刻は単に楽観的すぎる。
ランブレッタでのスマホ取り付けの現実
スマホがあなたの画面である以上、その取り付け方はクルマよりもランブレッタでこそ重要になる。多くのライダーはハンドルバー用のクランプマウントを使う。ハンドルが細かったりボディカバーで覆われていたりする車体では、ミラーの根元に固定するマウントがスマホを見やすい位置に保ってくれる。どこに付けるにせよ、石畳や段差で緩んだり飛んでいったりしないようにしっかり固定し、視線を長く道から外さずに次の曲がり角が読み取れる位置に置くことが大切だ。
クラシックのランブレッタには、まじめに向き合うべき問題がひとつある。振動だ。ギア付きの2ストロークエンジンは、現代の4ストロークのオートマよりも明らかに強く振動する。一方、最近のスマホのカメラはピント合わせや手ブレ補正に小さな可動部品を頼っている。ハンドルから伝わる高周波の振動が続くと、こうした部品が時間とともに摩耗し、写真がぼやけたり、ピントを探して迷うカメラになったりすることはよく知られた懸念だ。単純な対策は、クランプとスマホの間に防振ダンパーを挟んだマウントで、これが振動の大半を吸収してくれる。この備えは、ほかのどんなスクーターよりもビンテージの2ストロークで効いてくる。日除けを足すか画面の角度を工夫して反射を抑え、多くのスマホが真夏の直射日光では減光したり性能を落としたりすることも覚えておこう。
ランブレッタ向けナビアプリで見るべきポイント
宣伝文句をはがしてみれば、ランブレッタのライダーがナビに求めるものは、クルマ用アプリが提供しない四つに絞られる。
- 車両区分を意識したルーティング。 アプリはあなたの区分を理解し、それに合わせて案内すべきだ。原付や小排気量のクラシックを、思い出して切り替えるトグルではなく、デフォルトで高速道路や主要幹線道路から外してくれること。
- 現実的なスクーター速度の到着時刻。 ランブレッタが実際に出す速度で計算された到着時刻。そうすれば最速として選ばれたルートが、本当にあなたにとって最速になる。
- ひと目で読める表示。 ひとつの指示、ひとつの距離、ひとつの速度。ハンドルは机ではなく、スクーターの速度で情報が詰まったクルマ用の画面は場違いな道具だ。
- 明瞭な音声案内。 視線を道に、手をハンドルに保てるように声で案内してくれること。手動変速のクラシックではなおさら効いてくる。
Urban Rider はランブレッタにどう合うのか
これは私が作っているアプリなので、その点は差し引いて読んでほしい。Urban Rider は、クルマ用アプリが決して尋ねない問いから始まる。あなたは何に乗っているのか。その スクータープロファイル はランブレッタにそのまま合う。クラシックの Li、SX、TV、GP でも、現行の V125 や V200 でも同じだ。出力を絞った 50cc なら、原付プロファイルのほうがしっくりくる。車両に合ったプロファイルを選べば、ルーティングもそれに合わせて変わる。原付とスクーターの区分では、高速道路や主要幹線道路をデフォルトで除外するので、小さなあるいはビンテージのランブレッタは、何も切り替えなくても本来走るべき街の道に留まる。
アプリはあなたの実際の速度を知っているので、到着時刻はクルマの速度ではなく二輪の速度で計算される。だから表示される時刻は、あなたが実際にする走行を映し出す。走行中はナビ画面がすっきり保たれ、次の指示、距離、自分の速度だけを大きく表示する。これはまさに、ハンドルでちらっと見て読み取りたいものだ。明瞭な音声案内が視線を上げたままにしてくれる。作るアカウントもなく、走行履歴は端末内に留まり、無料で iOS と Android の両方でネイティブに動く。
設定はほんの一瞬で済む。ランブレッタに合うプロファイルを選ぶだけだ。出力を絞った 50cc なら原付プロファイルを選べば、速い道から外し、原付の速度で所要時間を出す。クラシックの Li、SX、TV、GP や現行の 125 か 200 ならスクータープロファイルを選べば、小さな二輪に合ったルートになる。大排気量の X300 や G350 なら、スクーターまたは自動二輪プロファイルが、車両と法律が許す範囲で速い道を開いてくれる。このひとつの選択が、あなたのランブレッタ向けに組まれたルートと、クルマ向けに組まれたルートとの分かれ目になる。
正直な但し書きも書いておく。Urban Rider は Google マップより新しく規模も小さいし、リアルタイムでみんなが投稿する渋滞情報なら Waze にまだ分がある。だが、ランブレッタが実際にどう街を横切るべきか、という日常の問いに対しては、クルマのルートに回避設定を後付けするより、車両から出発するほうが優れている。ランブレッタが本来向いている乗り方のために作られている。そこがこのアプリの肝だ。
ランブレッタでの Google マップ・Waze・Apple マップ 対 Urban Rider
| ランブレッタで必要なこと | Google マップ / Waze / Apple マップ | Urban Rider |
|---|---|---|
| どのランブレッタに乗っているか尋ねる(50、125、クラシック、300) | 大半の地域でスクーター・原付モードなし | あり、原付とスクーターのプロファイル |
| 高速道路や速い幹線道路を避ける | 手動の高速道路回避トグルのみ、対象は高速道路だけ | 原付・スクーター区分ではデフォルトでオン |
| 到着時刻 | クルマの速度で見積もり | 実際のスクーター速度で算出 |
| ひと目で読める走行画面 | クルマ向けの画面 | すっきりした走行画面、ハンドル向けに設計 |
| 料金と対応端末 | 無料、iOS、Android | 無料、iOS、Android、アカウント不要 |
実践的な結論
手元にスマホの地図アプリしかないなら、「高速道路を使わない」と「有料道路を使わない」をオンにして、目を開けて走ってほしい。速い多車線道路を渡された瞬間、アプリはもうあなたを守っていないからだ。アプリはあなたがランブレッタに乗っているとは、そもそも知らなかったのだ。スマホはしっかり固定し、防振ダンパーでカメラを守り(これはほかのほとんどの車両よりクラシックの2ストロークで効いてくる)、ルートは指示ではなく提案として受け止めよう。
毎日の移動には、何に乗っているかを尋ねてそれに合わせて案内するアプリのほうが、余計な手間もずれた到着時刻も省いてくれる。もっと深く知りたい人のために、ランブレッタの旧敵ベスパのナビについても書いているし、スクーター・原付向けナビアプリの比較もまとめ、50cc と 125cc スクーターの違いも解説しているので、自分のランブレッタにどのプロファイルが合うか分かるはずだ。ほかの記事は記事一覧からたどれる。
よくある質問
ランブレッタに一番おすすめのナビアプリは?
ランブレッタに最適なナビアプリは、あなたをクルマではなく小さな二輪として扱ってくれるものです。スクーターや原付を高速道路や速度の高い幹線道路から外せる車両区分を意識したルーティング、実際のスクーターの速度で計算された到着時刻、そしてハンドルでひと目で読める表示があるかどうかを見てください。Urban Rider はまさにこのために作られています。クラシックの Li、SX、TV、GP や、現行の V125、V200 ならスクータープロファイルを、出力を絞った 50cc なら原付プロファイルを選ぶと、その区分に合わせてルートと所要時間を計算します。無料で、iOS と Android の両方でネイティブに動きます。
ランブレッタで Google マップを使ってもいいですか?
使えますし、多くのライダーが実際に使っています。ただし知っておきたい限界が二つあります。欧州、北米、オーストラリアでは Google マップにスクーターや原付の車両モードがないため、ランブレッタをクルマとしてルート案内し、到着時刻もクルマの速度で見積もります。ルート設定で「高速道路を使わない」「有料道路を使わない」をオンにすれば明らかな高速道路は避けられますが、その設定で除外されるのは高速道路に区分された道だけで、小さなクラシックスクーターが同じように避けたい速度の高い多車線道路までは外してくれません。ルートはあくまで提案として扱い、速い道に案内されたときは注意を怠らないでください。
ランブレッタにスマホをどう取り付ければいいですか?
多くのライダーはハンドルバー用のクランプマウントを使います。ハンドルが細い車体では、ミラーの根元に固定するマウントも見やすくおすすめです。次の曲がり角が視線を道から外さずにちらっと読み取れる位置に置き、段差を越えても外れないようにしっかり固定してください。クラシックのランブレッタは2ストローク特有の振動が大きく、ハンドルからの振動は時間とともにスマホのカメラを傷めることがあるため、クランプとスマホの間に防振ダンパーを挟んだマウントがビンテージ車両では安全な選択です。
クラシックスクーターの振動でスマホのカメラは壊れますか?
壊れることがあります。最近のスマホのカメラはピント合わせや手ブレ補正に小さな可動部品を使っており、ハンドルから伝わる高周波の振動が続くとこれらが摩耗し、写真がぼやけたりピントが合いにくくなったりします。クラシックのギア付き2ストロークのランブレッタは、現代の4ストロークよりも明らかに振動が大きいため、新しいスクーターよりリスクは高めです。防振マウントはその振動の大半を吸収してくれるので、古い車両では理にかなった備えです。
ランブレッタは高速道路を走れますか?
モデルとその国のルールによります。Li 125 や 150 のようなクラシックのギア付きランブレッタは、高速巡航ではなく街や一般道向けに作られた小排気量車で、出力を絞った 50cc は高速道路をまったく走れない原付です。X300 や G350 といった大きめの現行ランブレッタは自動二輪クラスで、法律が許す場所では高速道路を使えますが、125cc はその中間にあり、国によっては禁止されることも多いです。だからこそナビアプリは、ルートを選ぶ前にあなたがどのランブレッタに乗っているかを知る必要があるのです。
